英動物愛護団体、チャールズ国王の肖像画にシール貼付
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【6月12日 AFP】英ロンドンのギャラリーで11日、動物愛護団体がチャールズ国王(King Charles III)の即位後初めてとなる公式肖像画にクレイ・アニメーション「ウォレスとグルミット(Wallace and Gromit)」シリーズのキャラクターで、チーズが大好きなウォレスの顔と吹き出しのシールを貼り付ける騒動があった。
英動物愛護団体アニマル・ライジング(Animal Rising)が投稿した動画には、2人の活動家が肖像画の国王の顔の部分にウォレスの顔と吹き出しを貼り付ける様子が捉えられている。
同団体は、英王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、RSPCA)が動物福祉に関する基準を維持していると認定した45の農場で動物が虐待されていることを示す独自調査への関心を高めることが狙いだと主張。
シールを貼り付けたダニエル・ジュニパー(Daniel Juniper)氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「国王は『ウォレスとグルミット』の大ファンであるため、RSPCA公認の農場でむごたらしい虐待が行われていることに国王の関心を向けさせるのにこれ以上の方法はないと考えた」と述べている。
肖像画に貼られた吹き出しには、「チーズは要らないよ、グルミット。RSPCA農場の虐待行為を見てごらん!」と書かれている。国王は先月からRSPCAを後援している。
真っ赤な背景の肖像画は画家のジョナサン・ヨー(Jonathan Yeo)氏が手掛けたもので、作品は先月、国王自身によって公開された後、ロンドンのフィリップ・モウルド・ギャラリー(Philip Mould Gallery)に展示されている。
オーナーのモウルド氏は、作品には保護カバーが掛けられており、シールは「10~15秒」ほどでスタッフによって剥がされたと説明した。警察に被害届を出したという。
RSPCAは「芸術破壊行為にショックを受けている」と表明する一方、RSPCA公認農場への懸念を真剣に受け止めているとも述べた。(c)AFP