イスラエル前国防相、政権離脱を表明 人質奪還も国内で不満高まる
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【6月10日 AFP】イスラエルのベニー・ガンツ(Benny Gantz)前国防相は9日、戦時内閣ポストの辞任を発表した。パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でのイスラム組織ハマス(Hamas)との戦闘が8か月を超える中、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の対応をめぐっては国内で不満が高まっていることもあり、政権にとって大きな打撃となった。
ガンツ氏はネタニヤフ氏に対して、今月8日までにガザの戦後計画を提示するよう「最後通告」を突きつけていた。それに対し、ネタニヤフ氏は「戦いを放棄するのは時期尚早」との考えを伝えていた。
ガンツ氏の辞任によってネタニヤフ氏率いる右派連立政権の崩壊につながることはないとみられているものの、ガンツ氏の政権離脱は、今なお人質全員の奪還を政府が実現できていないことへの批判の高まりと歩調を合わせる形となった。
イスラエル軍は8日、ガザの避難民キャンプでハマスに拘束されていた人質4人を救出。救出作戦時にイスラエル側は警察官1人が死亡したと明らかにした。
一方、ハマスが運営するガザの保健当局は、イスラエル軍の攻撃でパレスチナ人274人が死亡、698人が負傷したと発表。死者のうち少なくとも64人は子ども、57人は女性、37人は高齢者だったとし、「ヌセイラット(Nuseirat)の大量虐殺」と非難している。(c)AFP