【6月8日 AFP】インディカー・シリーズに参戦するフンコス・ホリンジャー・レーシング(Juncos Hollinger RacingJHR)は7日、アルゼンチン人ドライバーのアグスティン・カナピノ(Agustin Canapino)が、ネット上で誹謗(ひぼう)中傷を受けたことを理由に休養すると発表した。

 2日に行われた今季第6戦デトロイトGP(Detroit GP)では、再スタートの際にカナピノとアロー・マクラーレン(Arrow Mclaren)のテオ・プルシェール(Theo Pourchaire)が接触する事故が起きた。

 プルシェールはレース後、この出来事で殺害予告やヘイトの書き込みを受けたとX(旧ツイッター)で訴えたが、カナピノがアルゼンチンのファンを擁護したことで、同選手もオンラインで暴言のターゲットにされたという。

 JHRの共同オーナーを務めるブラッド・ホリンジャー(Brad Hollinger)氏は、「オンラインでの暴言は容認できない。われわれはドライバーたちがマシンに乗り込むとき、精神的にも身体的にも準備が整っている状態を確保する必要がある」とし、「このような事態に至ったことを悲しく思う」と述べた。

 プルシェールは、「デトロイトGPでのささいな出来事で、この24時間に多くのヘイトや殺害予告を受けて悲しい」「われわれは皆人間であり、間違いを犯すこともあると理解してもらいたい。だが、ネット上で人々に暴言を吐くのは普通じゃない。みんな互いにいたわろう」とつづった。

 これに対してカナピノは4日にすぐさま声明文を発表し、暴言には反対する一方で、自分のファンから殺害予告を受けたと批判するのは不適切だとし、「われわれアルゼンチン人は情熱的で陶酔しやすいが、だからといってやってもいないことで批判されるべきではない。従って、勝手に決めつけられて、自分たちに値しないカテゴリーに入れられることを断固拒否する」と反論していた。

 このコメントがオンラインでの誹謗中傷をもたらし、カナピノはレースを休養することになった。今週末のロードアメリカGP(Grand Prix at Road America)では、米国人ドライバーのノーラン・シーゲル(Nolan Siegel)が代役を務める。(c)AFP