【6月5日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)に略奪され、戦後は仏パリのルーブル美術館(Louvre Museum)で保管されてきた17世紀の絵画2点がユダヤ人所有者の子孫に返還された。その後、作品は改めて同館に寄贈された。

 ルーブルでは4日、フローリス・ファン・スホーテン(Floris van Schooten)の「Still-Life with Ham(ハムのある静物)」と、ピーター・ビノワ(Peter Binoit)の「Food, Fruit and Glass on a Table(食卓の上の料理、果物、グラス)」が展示され、所有者だったマチルド・ジャバル(Mathilde Javal)さんの子孫48人のうちの数人が鑑賞した。ナチス占領下でのジャバルさん一家の体験を示す品々も一緒に展示された。

 戦時中、ジャバルさん一家のうち5人はフランスからアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所に送られ、殺害された。レジスタンスで戦うか、身を隠していた家族もいた。

 絵画2点は数十年間、所有者不明の盗難作品を扱うルーブルのプログラムの下、同館に保管されていた。

 2015年に政府から調査を依頼された専門家は、この2点の絵画が、1944年にナチスが接収したパリ中心部のジャバルさん所有の邸宅にあったことを突き止めた。

 ルーブルによれば、ジャバルさんは戦後、絵画の返還を求めたが、氏名と住所のつづりに誤りがあったため、手続きは不首尾に終わっていたという。

 ナチス占領下の1940~45年のフランスでは、主にユダヤ人家族から約10万点の文化財がナチスに略奪されるか、売却を強いられた。

 戦後、フランスに戻ってきた約6万点の作品のうち、4万5000点は所有者に返還された。残りの1万5000点のうち、1万3000点ほどは国が売却し、2200点は美術館に預けられた。ルーブルは、このうち1610点の美術品を保管している。(c)AFP/Sandra BIFFOT-LACUT