【5月3日 AFP】オランダ中部オメレン(Ommeren)村は2日、第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)の財宝が埋められた場所を示すものとみられる地図の公開を受け、トレジャーハンターが殺到したが、捜索は終了し、何も見つからなかったと明らかにした。

 同村は、財宝は確かに埋められていたが、戦後に持ち出されたと結論付けた。

 オランダの公文書館が1月に財宝の隠し場所とみられる位置に赤いバツ印が付いた手書きの地図を公開すると、一攫千金を狙うトレジャーハンターが村に殺到した。

 近隣の地方自治体ビューレン(Buren)の広報官はAFPの取材に電子メールで回答し、「ナチスの財宝はオメレンにはないと結論付けた」「財宝はかつてオメレンに埋められていたが、ある時期に持ち出されたとみられる」と述べた。

 地図と一緒に保管されていた文書には、ナチスが宝石や貴石、金貨がいっぱいに詰まった弾薬箱4箱を埋めたと記されている。その価値は時価1100万ユーロ(約16億5000万円)相当とされる。

 ナチスは1944年、オランダ・アーネム(Arnhem)の銀行を爆撃した後に財宝を略奪。連合国軍のマーケット・ガーデン(Market Garden)作戦後に財宝を埋めたとされる。

 オメレンは昨年10月から金属探知機の使用を禁止していたが、村を訪れるトレジャーハンターは後を絶たなかった。

 ビューレンの広報官は「1月に入ってから、金属探知機を使用していた少なくとも15人に警告を出した」と述べた。

 考古学チームは1日、財宝が埋められた可能性のある2か所を再度捜索してみたが、古い弾丸と車のホイールのリム、古い果樹しか見つからなかった。発見された品は自治体に引き渡されたという。

 広報官は「再び宝探しをしようという人がいれば、禁止措置を取る」と述べた。(c)AFP