【6月4日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2024)は3日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)はまたしても大激闘の末に、第23シードのフランシスコ・セルンドロ(Francisco Cerundolo、アルゼンチン)を6-1、5-7、3-6、7-5、6-3で退け、準々決勝に駒を進めた。しかし、負傷している膝の炎症を抑える必要があるとして、次戦以降はどうなるか分からないと認めた。

 世界ランキング1位のジョコビッチは、この勝利で四大大会(グランドスラム)歴代単独1位の通算370勝に到達するとともに、全仏では15年連続のベスト8入りを決めた。

 一方、昨年大会の決勝で退けている第7シードのキャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)との準々決勝については、右膝の負傷状況を確認する検査を受けてから様子を見る意向を示しており、「あすやあさってに何が起きるのか、コートに出てプレーできるかどうかは分からない。出られることを望んでいる。とにかく様子を見ていく」と語った。

 1日に行われた第30シードのロレンツォ・ムゼッティ(Lorenzo Musetti、イタリア)との3回戦が翌日の午前3時7分までもつれる計4時間29分の激戦を強いられていた中、37歳のジョコビッチはこの日も思い通りに動かない膝によって体力的な限界を痛感する試練に直面した。

 第1セットは難なく先制したものの、続く第2セットの第3ゲームでは足を滑らせてメディカルタイムアウトを取る場面があった。その後もチェンジオーバーのたびに治療を繰り返し、「痛みを感じ始めたので、理学療法士の治療やメディカルタイムアウトを要請して対処した。けがでプレーが妨げられていたのは間違いない」と振り返った。

 一方、グランドスラムで自身初の8強入りを目指していたセルンドロは、ジョコビッチの動きが鈍ったのに乗じて第2、第3セットを連取し、セットカウント2-1とリードして大番狂わせを演じるかに思われた。

 それでもジョコビッチは、これまで何度も見せてきたように持ち前のすさまじい回復力を発揮し、通算3度の全仏制覇を誇る同選手がまだ終わっていないと感じ取った観客をあおるような雄たけびを上げた。

 1セットダウンのゲームカウント2‐4から巻き返したジョコビッチは、4時間39分でこの一戦をものにした。(c)AFP/Martyn WOOD