【5月29日 AFP】韓国軍は29日、北朝鮮が28夜から29日にかけて、反韓国プロパガンダのメッセージを風船で韓国側に飛ばしたとAFPに明らかにした。北部の京畿(Gyeonggi)道当局は、市民に外出を控えるよう注意を促した。

 韓国軍合同参謀本部は、「未確認物体が京畿、江原(Gangwon)2道の国境地帯で確認された。北朝鮮からのプロパガンダのメッセージとみられ、軍が対応にあたっている」と発表した。

 AFPが確認した発表内容には「国民は屋外活動を避け、不審な物体には触らず、最寄りの基地か警察に通報すべき」と書かれていた。京畿道も28日夜、住民の携帯電話に警報のメッセージを発信している。

 韓国の活動家団体はしばしば、金正恩体制を批判するビラや現金を風船にくくり付けて北朝鮮側に飛ばしている。こうした状況を受けて北朝鮮は26日、朝鮮中央通信(KCNA)で報復について警告。北朝鮮国防次官が「じきに山のような紙くずやごみが韓国国境と内陸部にばらまかれる。除去にどれだけの労力が必要なのか直接体験することになる」としていた。

 韓国の民間研究所「世宗研究所(Sejong Institute)」の張成昌(Cheong Seong-chang)氏によると、北朝鮮側から飛ばされた袋には「トイレットペーパーやごみ、中国製の電池」が入っていた。

 また「目撃者の話によると、袋からは『独特な臭い』がしたという。排せつ物のような臭いで、おそらく動物のふんだと思われる」とも話している。(c)AFP