【5月25日 AFP】アイルランドのミホル・マーティン(Micheal Martin)副首相兼外相兼国防相は24日、同国がパレスチナを国家承認すると表明したのを受け、イスラエルがアイルランド大使を呼び出して「叱責」したことは「全く容認できない」と非難した。

 アイルランドとノルウェー、スペインの欧州3か国は22日、28日付でパレスチナを国家承認すると表明。イスラエルは即座に対抗措置を取ると警告した。

 アイルランドのソニア・マクギネス(Sonya McGuinness)大使は23日、ノルウェー・スペインの大使と共にイスラエル外務省に呼び出された。同省は大使らに、昨年10月7日のイスラム組織ハマス(Hamas)による攻撃で拉致された女性兵士5人の動画を見せたという。

 マーティン氏は記者団に対し、「全く容認できない。外交官の扱い方としてあり得ない。どの国であろうと外交規範から逸脱している」と述べた。イスラエルメディアの前で大使らに動画を見せる行為についても、「他の国や地域では見たことがない」と述べた。

 イスラエル当局は、パレスチナを国家承認すると表明した欧州3か国を繰り返し批判している。イスラエル・カッツ(Israel Katz)外相は「われわれの娘を拉致し、乳児を焼いたテロリストであるハマスに金メダル」を与えるような行為だと非難。動画についても、正式な外交的抗議の申し入れの一環として上映する考えを示した。

 アイルランドのサイモン・ハリス(Simon Harris)首相はパレスチナの国家承認について、イスラエルがパレスチナ国家と共存する「2国家解決」への明確な支持表明であり、2国家共存こそが「イスラエルとパレスチナ、そして双方の市民の平和と安全につながる唯一の確実な道」だと述べた。(c)AFP