デンマークに刑務所の監房貸与 コソボ議会が協定承認
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【5月24日 AFP】コソボ議会は23日、刑務所の過剰収容が問題になっているデンマークに監房300房を貸与する同国との協定を承認した。
デンマークから受け入れる受刑者は、コソボの首都プリシュティナから約50キロ離れた町ジラン(Gjilan)の刑務所に収容され、刑期終了後は送還される。
デンマークでテロや戦争犯罪で有罪判決を受けた受刑者や、精神疾患と診断された受刑者がコソボに移送されることはない。
この協定に基づき、コソボは今後10年間で約2億ユーロ(約340億円)を受け取る。この資金は矯正施設の改善や再生可能エネルギー事業に充てられるという。
デンマーク法務省も、コソボ議会で協定が承認されたことを認めた。ピーター・ホメルゴー(Peter Hummelgaard)法相は声明で、「この協定はデンマークの刑務所の収容力を確保するために極めて重要であり、収容力不足に苦しむわが国の刑務所制度のバランスを取り戻す一助になるだろう」と述べた。
公式データによると、デンマークの刑務所の収容人数は2015年以降、20%近く増加。2021年の年初時点で4000人を超え、収容率は100%を超えた。一方、同期間に刑務官の数は18%減少している。
類似する事例として欧州では、ノルウェーとベルギーがオランダの刑務所を借用している。(c)AFP