台湾の頼新総統、民主主義の「輝かしい時代」 中国には威嚇停止要請
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【5月20日 AFP】台湾の新総統に就任した頼清徳(Lai Ching-te)氏(64)は20日、台湾の民主主義に「輝かしい時代」が到来したとたたえる一方で、中国に対しては政治的・軍事的威嚇をやめるよう呼び掛けた。
就任演説で頼氏は、台湾統一を目指す中国が圧力を強めている事態に触れ、武力衝突の脅威についても直接言及。「台湾の民主主義の輝かしい時代が到来した」と述べた上で、台湾市民に対し、「外部からの力に左右されるのを拒み、民主主義を決然と守っている」と謝意を表明した。
また「多くの脅威や侵入の試みを目の当たりにする中、私たちは自国を守る決意を示し、防衛意識を高め、国家安全保障の法的枠組みを強化しなければならない」と述べた。
さらに、台湾政府は「屈服も挑発もせず、(現状を)維持する」と明言し、台湾の主権を維持しながら正式な独立は宣言しない立場を継続する考えを示した。
一方で、中国に対しては「台湾への政治的・軍事的威嚇をやめるよう」要請。「台湾と共に、台湾海峡の平和と安定を維持するという世界への責任を果たし、世界を戦争の恐怖から確実に解放する」よう求めた。
頼氏は、中国をけん制するため、4年の任期中に防衛費を増額し、米政府との関係を強化するとみられている。
就任式には、8か国の首脳と米国、日本、カナダを含む51か国の代表団が招待され、台湾の民主主義を支持する姿勢を示した。
現在、台湾を国家として承認し、外交関係を結んでいるのは12か国のみとなっている。(c)AFP/Dene-Hern Chen and Amber Wang