【5月7日 Xinhua News】中国は長い間、紙おむつや医療用パッドなどの吸収性衛生製品の原料に欠かせない天然植物由来の特殊なパルプ「フラッフパルプ」を輸入に頼ってきた。しかし、カシヤマツ(学名:Pinus kesiya)の育種や高付加価値加工などの主要技術の画期的進歩により、この原料の国産化にこぎ着け、安定供給できるようになった。

 雲南省特有のカシヤマツは成長の早いマツの一種で、フラッフパルプ製造にとって最高の原料の一つでもある。雲南省林業・草原科学院や、同省で林業と製紙業を手がける雲南雲景林紙などは4月26日、カシヤマツ製フラッフパルプの高付加価値加工プロセスにおける技術的飛躍を含むカシヤマツ全産業チェーンの科学技術成果を共同発表した。

 同社の張開賦(ちょう・かいふ)総経理は、チームは造紙技術の革新などを手がける中国製漿造紙研究院との協力を通じて、一連の技術的課題を解決し、中国で唯一、原料栽培と製品生産を一体化したカシヤマツ製フラッフパルプ全産業チェーン企業になったと説明した。

 2023年2月、同社は国内初のフラッフパルプ生産ラインを建設し、カシヤマツを使ったフラッフパルプ製品を生産した。同年には年間5万6400トンを販売し、約2598万元(1元=約21円)の増益を実現した。今年は10万トンの生産・販売を計画しており、3600万元以上の増益を見込む。

 フラッフパルプの安定的な生産と供給は、カシヤマツ原料の確保と切り離せない。雲南省普洱市の景谷ダイ族イ族自治県は同省におけるカシヤマツの中心分布地域であり、カシヤマツ林の面積は522万9千ムー(約3486平方キロ)、カシヤマツの経済林面積は87万3千ムー(約582平方キロ)に上っている。(c)Xinhua News/AFPBB News