【5月3日 AFP】東南アジアは現在、鉄道のレールがゆがむほどの猛暑に見舞われている。ここ何か月も雨が降っていないタイ中部の村では4月30日、雨乞いの儀式に日本の人気キャラクター「ドラえもん(Doraemon)」が担ぎ出された。

 ナコンサワン(Nakhon Sawan)県パユハキーリー(Phayuha Khiri)郡の村では見物人が水をまく中、飾りの付いた衣装をまとった人々が、ドラえもんのぬいぐるみの入ったかごを担いで村を練り歩いた。乾季に行われる伝統的な雨乞いの儀式「へーナーンメーオ(Hae Nang Meaw)」(雌猫の行列の意)に新しいアイデアを取り入れたものだ。

 猫が水を嫌うことはよく知られているが、ここでは猫が水にぬれたときのうるさい鳴き声が雨を呼ぶと考えられている。

 今ではこの儀式に本物の猫ではなく、ドラえもんや「ハローキティ(Hello Kitty)」の人形を担ぐ村人が多い。

 この儀式が行われた日、気温が41度に達したタイ南部ナコンシータマラート(Nakhon Si Thammarat)県では、暑さで鉄道のレールがゆがみ、作業員が水をかけて元に戻そうとしていた。

 タイ国鉄(State Railway of Thailand)は、4月30日にロンピブン(Ron Phibun)とカオチュムトーン(Khao Chum Thong)の間でレールがゆがんだのは「酷暑」のせいだと説明。「職員が水と氷でレールを冷やした」と述べた。

 専門家は気候変動によって熱波の頻度、長さ、激しさが増していると指摘している。(c)AFP