【5⽉7⽇ Peopleʼs Daily】近年ではタイ、ラオス、カンボジアなどのドリアン、バナナ、リュウガンなどが中国・ラオス鉄道などを経て中国の消費者に多く届くようになった。カンボジア商務省のペン・ソビチート(Penn Sovicheat)国務秘書官兼報道官は、「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効と実施により関税優遇や通関の簡素化、貿易と投資の円滑化などの政策措置の恩恵を受け、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の輸出と貿易の成長が長期にわたり促進されます」と述べた。

 2023年の中国の農産物での主要貿易相手国トップ10のうち3か国がタイ、インドネシア、ベトナムのASEAN諸国だった。タイと中国の農産物貿易総額は178億8800万ドル(約2兆7900億円)に達した。

 ラオス首都のビエンチャンにある中国・ラオス協力農作物優良品種試験ステーションでは、中国人の専門家が現地住民に野菜栽培を指導している。同ステーションでは2013年から現在までに300種以上の作物を試験栽培し、その中から現地での栽培や普及に適した67品種を選んだ。中国側の専門家は現地の農業技術者や農業専門大学の教員や学生などに向けた研修クラスも繰り返し開催している。

 中国はここ数年、ラオス、ベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマーで農業試験ステーションを建設し、野菜や水稲などの優れた新品種750余りを試験栽培してきた。モデル耕作地面積は累計400万ムー(約2700平方キロ)を超え、現地の農業技術者を延べ1000人以上育成してきた。中国の多くの農業専門家がASEANの農業の現代化に貢献している。

 2023年に発表された「中国・ASEANの農業協力深化に関する共同声明」では、グリーン循環型・低炭素・強靭(きょうじん)性のある農業の発展を促進することが提唱された。地域の状況に応じて化学肥料と農薬の使用量を減らし、農業廃棄物の再資源化を促進し、グリーン農産物の貿易を推進し、条件が許す場合にはグリーン農産物の品質トレーサビリティシステムを構築し、該当地域での農産物の競争力を共に向上させる取り組みだ。

 ASEAN事務局のサトウェンデ・シン(Satvinder Singh)事務次長は、「ASEAN諸国と中国は農業協力をさらに深化させ、スマート農業プロジェクトを共同推進し、双方の農産物の競争力を高めます」と述べた。マレーシアのモハマド・サブ(Mohamad Sabu)農業食糧安全保障相は、「中国との農産物の貿易を拡大し続け、農業科学技術の協力を深化させれば、ASEAN諸国に発展のチャンスがより多くもたらされます」と述べた。

 中国の侯艶琪(Hou Yanqi)駐ASEAN大使は中国側の考えとして、中国とASEANが締結した農業関連の計画とASEAN内部の計画をより良く結び付け、デジタル農業やスマート農業などでの協力を深め、ASEANの農業のグリーン化や循環性、持続可能な発展の水準を向上させることを挙げた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News