【5月2日 AFP】南米コロンビアのグスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領は1日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での「ジェノサイド(集団殺害)」を理由に、同国との国交を断絶すると表明した。

 ペトロ氏は首都ボゴタで行われたメーデーの集会で「あす(2日)、ジェノサイドを実行する大統領を擁するイスラエルとの国交を断絶する」と語った。

 さらに、世界は「ジェノサイド、すなわち皆殺し」を受け入れることはできないとし、「パレスチナが滅びれば人類が滅びる」と述べると、数千人の支持者から喝采を浴びた。中にはパレスチナの旗を掲げる人も見られた。

 これに対しイスラエルは、ペトロ氏は「反ユダヤ主義的で憎悪に満ちている」と反発し、同氏の姿勢はガザを実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)に褒美を与えるに等しいと批判。

 イスラエル・カッツ(Israel Katz)外相はX(旧ツイッター)への投稿で「コロンビアの大統領は、ハマスの殺人犯とレイプ犯に褒美を与えると約束した」「乳児を焼き、子どもを殺し、女性をレイプし、罪のない市民を拉致し、人類が知る限り最も卑劣なモンスターの側に立つとグスタボ・ペトロが決めたことは、歴史に刻まれるだろう」と痛烈に批判した。

 一方、ハマス側はコロンビアの動きを「勝利」として歓迎。声明で「ペトロ氏の姿勢に深く感謝する。パレスチナ人の犠牲と大義による勝利と考える」と述べ、他の中南米諸国にも後に続くよう呼び掛けた。

 コロンビアの他に、ボリビアやベリーズ、南アフリカもイスラエルとの国交を断絶している。さらに数か国がイスラエルに駐在していた外交官を本国に呼び戻している。(c)AFP/David Salazar and Andrea Tosta