【5⽉3⽇ Peopleʼs Daily】「今年のトマトは果実がしっかりしていて、食感は繊細です。買い付け価格はほぼ1キロ10元(約216円)を超えており、1ムー(約0.0006平方キロ)のハウスの収穫高は約10万元(約216万円)です」――。栽培農家の韓友功(Han Yougong)さんの説明だ。

 山東省(Shandong)の寿光市(Shouguang)はここ数年、トマト産業の現代化や標準化を力強く推進し、産業競争力を高めた。2023年のトマト生産量は50万トンを超えた。寿光市には野菜205種の自主開発品種があり、うち113種はトマトだ。

 韓さんはハウスの中でトマトを示して「食感が豊かで多層的です」「甘酸っぱくてさっぱりしています」などと説明した。トマトのおいしさについては「品種で保証されているのだから、心配の必要はありません」と話した。

 寿光市野菜産業集団のトマト育種の責任者である于彩雲(Yu Caiyun)氏は「良い品種を育ててこそ良い果実を育てることができます」と強調した。于氏はさらに、「弊社は食味の良いトマトの新品種を選別し育成しています。同時に、耐病性の向上を目指しています」と説明した。

 同集団はここ数年、研究開発センターを建設して、高基準の種子資源バンクや分子育種実験室を整え、新品種を登場させている。手がけた多くの新品種が、市場シェアを高め続けているという。

 寿光市の野菜企業はまた、トマトの産業チェーンを構築することで商品価値を高めている。寿光市野菜産業集団が2021年に完成させた食品加工基地には6万平方メートルの作業場があり、ハウスで採れたトマトがその日のうちに運ばれてきて乾燥野菜チップなどに加工されて出荷される。2023年に同集団のトマト加工品の売上高は500万元(約1億800万円)を超えた。

 寿光農業ホールディングスは2020年に、120ムー(約0.08平方キロ)の土地を使ってスマート温室を建設した。温室内では空気を巡回させるファンが稼働し、天窓がゆっくりと開いて太陽光を取り入れる。パネルには、光の強度や二酸化炭素濃度などがリアルタイムで表示されている。土地利用率は従来型ハウスに比べて30%以上向上し、生産効率は50%向上した。寿光市のトマト栽培ハウスの80%以上はスマート化された。

 収獲されたトマトは自動搬送車のかごに入れられる。自動搬送車は仕分けラインに向かう。トマトは選別機によって重さに応じて仕分けられ、梱包されて卸売市場に運ばれる。

 また、トマトのサンプルは市の検査測定センターに送られる。検査結果は市の野菜サプライチェーン総合管理サービスのサイトに表示される。出荷されたトマトはロットごとに追跡できる。同サービスのプラットフォームが構築されたのは2022年だ。市農業農村局の王立新(Wang Lixin)局長によると、このプラットフォームにより市内のトマト栽培ハウス5000か所以上のスマート管理が実現したという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News