【4月27日 AFP】中国反ドーピング機関(CHINADA)は26日、同国の競泳選手23人がドーピング検査で陽性となりながら不問に付されていた問題で、世界反ドーピング機関(WADA)が指示したコンプライアンス監査に協力する意向を示した。

 CHINADAは「WADAによる今後の監査に積極的に協力するとともに、必要に応じて援助を提供する」と発表した。また、WADAが第三者による検証を求めたことは「WADAの公平性や開示性、そして透明性を明確に示している」と述べた。

 中国の23選手については前週、2021年東京五輪前の検査で禁止薬物のトリメタジジン(Trimetazidine)に陽性反応を示しながらも、食品汚染が原因だったとする中国側の説明をWADAが受け入れたため、処分が科されなかったと報じられた。トリメタジジンは狭心症の処方薬だが、運動能力を向上させる作用がある。

 WADAは25日、この件をめぐる対応に関して独立検察官に適正評価を依頼し、CHINADAが取り組んでいる「反ドーピングプログラムの現状を評価する」目的で、中国に「コンプライアンス監査団」を派遣すると表明した。これを受けてCHINADAは、「クリーンなアスリートの権利や利益、さらにはスポーツの高潔性のために勤めていく」との声明を出した。(c)AFP