【4月20日 東方新報】中国の米国債保有額が2月に7750億ドル(約119兆6700億円)に減少し、前月から227億ドル(約3兆5052億円)の減少を記録した。これは今年に入ってから二度目の減少であると、17日に米国財務省が発表したデータから明らかになった。

 2月の時点で、中国は米国債の世界第二位の保有国であった。しかし、中国の米国政府債保有額は2022年4月以来、1兆ドル(約154兆4200億円)を下回っている。

 2024年1月には、中国は米国債を186億ドル(約2兆8722億円)削減していた。

 この削減は、中国の外貨準備の構造調整を示しており、国の対外支払いバランスや米国債の利益などの要因に影響されていると、中国人民大学(Renmin University of China)重陽金融研究院のシニア研究員である董少鵬(Dong Shaopeng)氏が18日に環球時報(Global Times)に語った。

 董氏は、米ドルがグローバル準備通貨としての機能が変わらない限り、中国が米国債を大量に売却することはないだろうと述べた。

 しかし、中国は経済の安定を確保するために、国の外貨準備の構造を最適化するために、秩序よく米国債の保有を減少させることを続ける可能性があると董氏は付け加えた。

「米国の名目GDP成長率は良好に見えるが、その成長の一部は高インフレーションによって押し上げられている。米国経済にはリスクが蓄積している」と董氏は述べ、中国が外国資産を多様化する一般的な傾向にあると強調した。

 ドル離れのグローバルな傾向が始まっており、多くの国々が金の保有を増やし、国際支払いに地元通貨を使用することで、準備の多様化を加速している。

 中国の金の保有量は3月末に7274万オンスに達し、月間で16万オンスの増加を記録し、17か月連続でこの資産の保有を増やしたことが、(People's Bank of China、中央銀行)のデータにより示されている。

 4月7日に外国為替管理局が発表したデータによると、中国の外貨準備高は3月末に3兆2500億ドル(約501兆8650億円)に達し、前月から198億ドル(約3兆575億円)、または0.62パーセントの増加を記録した。

 中国経済は引き続き成長の勢いを増しており、国の外貨準備の規模を一般的に安定させることに寄与していると、同管理局は述べている。(c)東方新報/AFPBB News