【4月15日 CNS】最近、一部の老人ホームにおいて、注目されているのは高齢者ではなく、「00後(2000年代生まれ)」の若者たちだ。彼らは、施設内の高齢者に同伴サービスを提供し、その見返りとして老人ホームでの宿泊権を得ている。

 老人ホームでの生活をどう感じているのかという質問に対し、ある「00後」は、「学生寮での生活と変わりません。ただ、そこでの友達は少し年上ですが、年齢の差によって楽しくなくなるなんてことはありません」と答えている。

「00後」は、最年長者でも24歳に過ぎず、社会に出たばかりの彼らは、家賃や水道光熱費などの経済的な圧力に直面している。老人ホームに住むことは、彼らにとって大変な節約になっている。「お金の使い方」という大事なことにおいて、「00後」は「人間の賢明さ」の見本と言える。彼らは、お金は節約して作るものと信じており、どんなマーケティング戦略も彼らをだますことはできない。それどころか、彼らはそれを逆手に取ることさえある。

 物質的豊かさの中で育った「00後」は、ブランド品を求めるよりも、コストパフォーマンスを重視している。彼らは、シニア食堂で食事をし、シニア大学で学び、高齢者の旅行団に参加し、老人ホームに住むなど、近年流行している「高齢者利用型」の消費を行い、高齢者向けの消費シーンに頻繁に「侵入」している。これらの行動は、彼らが新たな節約術を習得していることを示しており、高価なものを買うのではなく、適切な選択をすることを重視している。

「00後」が老人ホームに住む理由は、安い家賃だけではない。老人ホームは、人間関係がシンプルで、無用な競争もない、彼らにとってのユートピアだ。老人ホームは、忙しい一日を終えた後の「緩衝地帯」のようなもので、若者たちはそこでせわしない仕事や生活から一時的に離れ、静けさを見つけ、心を整えてから再び奮闘することができる。

 高齢者だけでなく、都市で働く「00後」も「心のパートナー」が必要だ。老人ホームの高齢者は様々な職歴を持ち、豊富な経験と知識を有している。彼らとの良好な交流を通じ、「何十年もの遠回りをしないで済む」ことができる。「00後」の多くは祖父母に育てられ、中には亡くなった祖父母に代わり、老人ホームで感情的な支えを見つけ、この「おじいちゃん・おばあちゃんとの絆」を続けようとしている人もいる。

 やがて老人ホームに住むこれらの若者たちも年を重ねる。彼らは、若い頃の自分と同じように自らを訪ねてくれる人がいたらどんなに素晴らしいだろうと夢見ている。(c)CNS/中国青年報/JCM/AFPBB News