【7月7日 CNS】昨年以来、中国各省で順次発表された2020年の人口普査年鑑および一部の省の民政部門の発表したデータによると、17の省での平均初婚年齢は27歳、そのうち八つの省では平均初婚年齢が29歳を超え、黒竜江省(Heilongjiang)の平均初婚年齢は31歳を超えている。人口社会学の専門家の多くは、このことが高齢化問題を悪化させる可能性があると懸念している。

 中国民政部の最新の四半期統計報告データによると、2022年の中国の結婚人数は683万3000組で、1986年(民政部のウェブサイトで公表されているデータは1986年以降のもの)以来の最低記録を更新した。

 実際のところ、初婚の高齢化は今年始まった新しい現象ではない。2022年6月に国家統計局が発表した『中国人口普査年鑑-2020』によると、2020年の中国の平均初婚年齢は28.67歳で、その内訳は男性が29.38歳、女性が27.95歳だった。2010年と比較すると平均初婚年齢は3.78歳高くなっており、その内訳は男性が3.63歳、女性が3.95歳高いという。

 初婚の高齢化は、ほぼ想定内のことだ。北京師範大学(Beijing Normal University)政府管理研究院の副院長で、産業経済研究センターの宋向清(Song Xiangqing)主任は、現在の若者は男女とも教育水準が向上しており、結婚と出産の自律性と自由度も増しているため、年齢の制約も緩和されていると述べている。「初婚年齢が高くなることは、歴史的に見ればよくあった現象とはいえないが、異常でもない。これは現在の背景と関連している」と、宋主任は述べた。

 対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)国家対外開放研究院の陳建偉(Chen Jianwei)副教授は、初婚年齢が高くなっている原因は非常に複雑だと述べた。経済的な側面では、個人の職業キャリアや経済的な条件の違いに伴い、結婚するための経済的な基準が高まっている。社会的・文化的な側面では、社会の進歩や人々の結婚・出産観念の変化により、結婚はもはや事前に計画しておくべきライフイベントとは見なされなくなっている。

 初婚年齢が高くなることにはどのような影響があるのか? 北京卓緯弁護士事務所(Chance Bridge Law Firm)のパートナーの孫志峰(Sun Zhifeng)氏は、初婚が遅くなることにより、出産年齢が遅れ、社会や家庭の養老の負担が増え、さらには人口の高齢化が進み、人口ボーナスがさらに減少し、経済にも一定の影響があると考えている。

 初婚の遅れという問題を解決するためには、全社会による共同の努力が必要であり、複数の側面からアプローチし、社会の文化環境、教育、社会保障、税制政策、家族観念の変革の推進が必要だと陳副教授は述べている。(c)CNS/JCM/AFPBB News