【4月6日 AFP】モロッコの商都カサブランカ(Casablanca)で5日夜、イスラエルとの国交正常化とパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での「虐殺」に抗議するデモが行われ、大勢が参加した。

 参加者は、「国交正常化はでっち上げだ!」「占領はやめろ!」とシュプレヒコールを上げた。

 モロッコは2020年、米国が仲介した「アブラハム合意」に基づき、アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンと共にイスラエルとの国交を正常化。合意の一環として、係争地西サハラ(Western Sahara)に対するモロッコの主権を米国に承認された。

 しかし、昨年10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘が始まって以来、モロッコではイスラエルとの国交正常化の撤回を求める大規模デモが起きている。

 デモの主催者はAFPに対し、「イスラエルがパレスチナ人に対して行っている野蛮な虐殺、ガザでの破壊、そしてアラブ諸国の沈黙に『ノー』を突き付けるために来た」と語った。

 デモに参加した弁護士は、「アラブ諸国とイスラエルの国交正常化は、イスラエルによる民間人殺害を認めているのと同じだ」と訴えた。

 モロッコ政府は、イスラエルがハマスとの戦いで「明らかに国際法の規定に違反している」と公式に非難しているが、イスラエルと断交する意向は一切示していない。(c)AFP