【12月13日 AFP】モロッコとイスラエルが国交正常化で合意したことに続いて、米国は12日、係争地の西サハラ(Western Sahara)を含むモロッコの「新公式」地図を承認した。米国の駐モロッコ大使が発表した。

 AFPが確認した声明の中で、デービッド・フィッシャー(David Fischer)大使はこの地図について「モロッコの西サハラに対する主権を承認するという、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の2日前の発表内容を具体的に表している」と述べた。

 その後フィッシャー氏は、モロッコの首都ラバトにある米国大使館で行われた式典で「米政府公式のモロッコ王国の新地図」に調印した。この地図は、モロッコの国王モハメド6世(King Mohammed VI)に贈られるという。

 旧スペイン領の西サハラでは、モロッコが大半の地域を実効支配しているが、1970年代から独立派武装組織「ポリサリオ戦線(Polisario Front)」と対立を続けている。

 同国は10日、イスラエルとの国交正常化に合意したと発表。その見返りにトランプ氏が西サハラに対するモロッコの主権を認め、同国は数十年来の願望をかなえた。

 ポリサリオ戦線は「間もなく退任するドナルド・トランプ米大統領が、モロッコに帰属しないもの(西サハラ)を帰属させた事実を、最も強い言葉で非難する」と表明。米国の決定を受け入れず、モロッコ軍が西サハラ全域から撤退するまで戦い続けると宣言した。

 イスラエルとの国交正常化に合意したアラブ諸国は、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、スーダンに続き、モロッコで4か国となった。(c)AFP