【4月3日 AFP】11月の米大統領選の主要候補は、民主党の現職ジョー・バイデン(Joe Biden)氏と共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の2人になりそうだが、「マジで他に誰かいないの?(Literally Anybody Else?)」と名乗る候補に投票できる可能性もあるのだろうか。

 南部テキサス州に住む数学教師で、退役軍人のダスティン・イーベイ(Dustin Ebey)さん(35)は先日、ダラス(Dallas)で地元テレビ局WFAAに出演し、「私の名前は『マジで他に誰かいないの?』です。米国の大統領選に出馬します」と自己紹介した。正式に改名し、無所属で出馬するための署名を集めている。

 改名と出馬の目的は、過去150年間、共和党と民主党の候補者しか大統領に選ばれてこなかった選挙制度への抗議だという。

 エルスさんは「『有権者はうんざりしている、フレッシュな存在を必要としている』と訴える場がない」として、「(米人口)3億人の中で、私たち有権者の方が(二大政党の候補者より)うまくやれる」と主張。

 さらに「有権者は心から信頼する候補者や支持している候補者ではなく、2人の悪人のうち、ましな方に投票している」と指摘し、「自分たちに近い存在で、自分たちを代表する候補者に投票する選択肢があってもいいはずだ。ましな悪人を選ぶという投票はお断りだ」と訴えた。

 エルスさんは既に、「Literally Anybody Else 2024」というメッセージ入りのTシャツ姿で選挙運動も行っている。テキサス州の投票用紙に候補者として名前が記載されるためには、同州の予備選で投票しなかった有権者から約11万3000人分の署名を集めなくてはならない。

 テキサス州はもちろん、それ以外の州でも、投票用紙に名前を載せるのは途方もない試みだ。

 だがエルスさんは、「妄想を抱いているわけではない。ものすごく大変だが、不可能ではないはずだ」と言い切る。「(投票用紙には)ドナルド・トランプ、ジョー・バイデン、そしてその真下に『マジで他に誰かいないの?』と候補者名が記載されることを願っている」と語った。(c)AFP