【3月29日 AFP】米デルタ航空(Delta Air Lines)を利用した女性が、ブラジャーを着用していなかったために降機させられそうになったのは女性差別だとして28日、同社の社長との面会を要求した。

 女性は、DJのリサ・アーチボルドさん(38)。バギージーンズにゆったりとした白いTシャツ姿で、ブラジャーは着けず、保守的なユタ州の州都ソルトレークシティー(Salt Lake City)から、リベラルなサンフランシスコへ向かう便に搭乗した。

 アーチボルドさんによると、デルタ航空の女性係員に一時的に降機させられ、「露出が多く」「不快」な服装で、同社の方針として、そうした服装での搭乗は認めていないと言われた。ただし、Tシャツの上にジャケットを羽織れば搭乗を認めるとも言われた。

 アーチボルドさんは代理人のグロリア・オールレッド弁護士を通じてデルタ航空に書簡を送り、差別的な方針について協議するため、社長との面会を要求したという。

 同弁護士は「男性客は、Tシャツの上にシャツやジャケットを羽織って隠すよう要求されたりしない」「男性はブラジャーを着用していなくても搭乗し、機内にとどまることができるが、女性にもブラジャーを着用する義務はない」と説明。「直近で確認した限り、デルタ航空を運営しているのは(アフガニスタンのイスラム主義組織)タリバン(Taliban)ではない」と皮肉も交えた。

 同氏によると、連邦航空規則では、航空会社は乗客が安全または保安上のリスクをもたらす場合、排除することができる。

 だが、アーチボルドさんの場合は明らかにそれに当たらず、「彼女の胸も、他の女性の胸も、ハイジャックを試みたことはない」「胸は武器ではないし、女性や少女に胸があることは犯罪ではない」と述べた。

 オールレッド弁護士によると、アーチボルドさんは今のところ訴訟を起こす予定はなく、デルタ航空の社長と面会し、方針変更を約束してもらうことを望んでいる。

 一方、デルタ航空側はAFPの取材に対し、「今年、弊社の担当者がこの顧客に連絡し謝罪した」と述べた。(c)AFP