キャサリン妃めぐる陰謀論、がん公表後も消えず
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【3月25日 AFP】英国のキャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales、42)が、がんとの診断を受けて治療中であることを公表し、ソーシャルメディアで広がっていた「臆測」は大きく批判されることとなった。中には死亡説を唱えるものまであった。しかし、本人による公表があった今も、陰謀論が消えてなくなることはないようだ。
キャサリン妃の健康状態をめぐる臆測は、王室が公開した家族写真が加工されていたことを受けて一気に広がった。そうした中で今月22日、本人がビデオメッセージを公開。現在がんを患っており、化学療法の初期段階にあることを自ら公表し、世界中から励ましの声が寄せられた。
しかし、X(旧ツイッター)や「ティックトック」では多数のユーザーが、このビデオメッセージは人工知能(AI)を使ったディープフェイクだと主張し始めた。
中には、スロー再生した動画を投稿し、キャサリン妃の後ろに映り込んだ木々の葉がまったく動いていないと主張するユーザーや、顔の表情を精査し、以前のようなえくぼが見られない理由を推測するユーザーもいた。
また、がん自体に関する偽情報や反ワクチン派による風評も飛び交った。
新型コロナウイルスワクチンを接種したために急激にがんが進行したとする「ターボがん」という根拠のない説と、キャサリン妃とを結び付ける陰謀論に飛び付く人も多数見られた。
英ケント大学(University of Kent)のカレン・ダグラス(Karen Douglas)教授(社会心理学)はAFPに、「いったん疑惑の種がまかれ、人々の信頼が失われると、陰謀論が勢いづくようになる」と指摘する。
研究者らは、王室の秘密主義と、おそらく広報戦略の失敗により、事態が悪化したとの見方を示しており、ダグラス氏も「王室は、もっと早い段階で事態を収拾することもできたはずだ」と述べた。(c)AFP/Anuj CHOPRA