飲酒と乳がんの因果関係、欧州女性の5人に1人しか知らず WHO
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【3月8日 AFP】世界保健機関(WHO)は8日、欧州の女性で飲酒が乳がん発症の危険因子だと認識しているのは、5人に1人しかいないと警鐘を鳴らした。
WHO欧州地域事務局は声明で「欧州14か国の女性のうち、飲酒と乳がん発症リスクの因果関係を知っているのは21%にすぎない」と述べた。男性ではさらに少なく、わずか10%だという。
14か国の内訳は、オーストリア、ベルギー、エストニア、フランス、ドイツ、アイルランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、オランダ、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン。
欧州では2022年、約60万件の乳がん症例が報告された。そのうち何件が飲酒関連の症例なのかについて、WHOは独自のデータではなく、傘下の国際がん研究機関(IARC)のデータを引用した。
それによれば、2020年、新たに乳がんと診断された症例57万5917件のうち、約7%に相当する3万9248件が飲酒に起因していた。
WHOは「乳がんにおける予防可能な危険因子としての飲酒の役割は極めて重要だ」と指摘。欧州の女性にとって乳がんは「飲酒によって引き起こされる原発性がんであり、飲酒に起因するがん全体の66%を占める」と述べた。
飲酒は、多くの乳がんの発生と進行で重要な役割を果たすエストロゲンのレベルに影響を与える。WHOは、比較的少量の飲酒であっても、乳がんの発症リスクに寄与する可能性があると警告している。(c)AFP