中国人が大好きな草魚を「小骨なし」に品種改良
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【3月10日 CGTN Japanese】ソウギョ(草魚)は世界で非常に多く養殖されている淡水魚ですが、骨が多いため、食べる時に小骨が喉に刺さりやすいです。中国中部の湖北省武漢市にある華中農業大学水産学院の高沢霞教授のチームは最近、ソウギョ好きの消費者のために、安心して食べられる「小骨なしソウギョ」を育成しました。
「小骨なしソウギョ」は骨が全くないわけではなく、普通のソウギョと同様に背骨など大きい骨はありますが、100本以上の筋間骨と呼ばれる小骨はありません。この筋間骨こそ、食べる際に喉に突き刺さりやすい骨です。
高教授のチームは、筋間骨の生育を左右する鍵となる遺伝子を発見し、その遺伝子が働かないようにして魚の体内で小さな筋間骨が育たないようにしました。高教授のチームは2021年、ヘテロ接合型という子孫に複数の特徴が出現しやすい遺伝子の特徴を持つソウギョを最初のF0世代として、気候が温暖な中国南部の広東省での飼育を始めました。そして2年ほどをかけて次のF1世代のソウギョの稚魚の繁殖に成功し、中から500匹以上の筋間骨のないソウギョの個体を選びました。次のF2世代の個体はすべて「小骨なしソウギョ」で、さらにその子孫はいずれも筋間骨のない特徴を受け継いでいました。測定した結果、「小骨なしソウギョ」が含有するタンパク質や微量元素繊維状アミノ酸の含有量は普通のソウギョとほぼ同じでした。
「小骨なしソウギョ」を賞味した人は、「スズキに近い食感で、ニンニクの形をした身の塊がある」「安心して存分に食べられる」などの感想を述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News