【2月29日 AFP】米ファストフード大手ウェンディーズ(Wendy's)は28日、利用が集中する時間帯でも価格引き上げは行わないことを確認した。同社トップの発言を受け、ピーク時の値上げを計画しているのではないかとの臆測が広がっていたが、否定した形だ。

 カーク・ターナー(Kirk Tanner)最高経営責任者(CEO)は15日に行われた決算内容に関する電話会議で、来年初めにもAI(人工知能)技術を活用した「ダイナミックプライシング」を試験導入する予定だと語った。

 ダイナミックプライシングは需要に応じて価格を変動させる仕組みで、需要のピーク時には価格が最も高くなる。CEO発言を受け、SNSでは批判の声が広がっていた。

 同社はこの日、「発言は当社店舗が最も混み合う時に価格を引き上げようとしていると受け止められ一部メディアに誤報された」と指摘。ダイナミックプライシングには言及せず、「デジタルメニュー表」の導入によって「1日のうちに何度か価格表示を変え、特に混んでいない時間帯には値引きやお得メニューを提供できるようになる」と説明した。

 ダイナミックプライシングは配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)など一部ハイテク企業に導入されている。しかし、ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)ウォートン・スクール(Wharton School)のジョン・チャン教授はAFPに対し、外食チェーンの場合「客は空腹ならすぐに食べたいと思うものだ。値段が上がっていたら下がるまで待たない。別の店に行くだけだ」と指摘。「客は腹を立て、二度と来店しないだろう」と話した。(c)AFP