【2月17日 AFP】エジプトが、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)との境界付近に、ガザからの難民を受け入れるための壁に囲まれたキャンプを建設している。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が16日、報じた。エジプトのNGOも同様の報告を行っている。

 WSJによれば、面積は21平方キロで、10万人以上の収容が可能。カイロでの停戦交渉が決裂した場合に備えた「緊急時の対応計画」の一環だという。

 エジプトのNGO「Sinai Foundation for Human Rights」も今週公表した報告書で、「集団脱出」が起きた場合にパレスチナ難民を受け入れるための施設が建設されていると指摘した。

 15日に撮影されたシナイ半島(Sinai Peninsula)北部にある建設現場の衛星写真では、エジプトとガザとの境界沿いに重機で壁が建てられているのが確認できた。10日に撮影された衛星写真と比較すると、整地されているのが分かる。建設現場は厳重に警備され、記者の立ち入りも禁止されている。 

 同NGOは、建設請負業者2社が「高さ7メートルの壁」で囲まれた区画の建設を依頼されたとしている。

 難民キャンプは、シナイ半島北部で過去10年間続いたイスラム過激派との内戦で破壊された民家のがれきの上に建てられているという。

 一方、ガザ地区最南端ラファ(Rafah)に侵攻する構えを見せるイスラエルは、この難民キャンプに民間人を移送する計画はないと主張した。

 エジプト・北シナイ(North Sinai)県のモハメド・ショーシャ(Mohamed Shousha)知事も15日、同国が避難民受け入れ措置として「シナイに隔離区域」を用意しているとの報告を否定。建設工事は近年の動乱で破壊された住宅の被害状況に応じて所有者に適切な補償を行うためのものだと説明した。(c)AFP