CES2024開幕を控え、コンベンションセンターに貼られた広報文(c)news1
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【02月13日 KOREA WAVE】「食べる前に写真をパシャリ」。SNSにアップロードするために食べ物の写真を撮っていた韓国20~30代の「食事前の儀式」が、すべての年齢層に拡大しそうだ。単なる献立記録の意味を越え、個人のオーダーメード型健康管理と健康な食材確保に役立つ「フードテック」が浮上しているためだ。

フードテックは先端技術を活用して食品産業の生産・流通・加工全般の生産性を向上する技術だ。気候変動の危機が迫り、健康な食材確保が課題となり、食材を効率的に生産し、加工して未来の問題を解決してくれる技術として脚光を浴びている。

スタートアップは食品生産よりは「個人オーダーメード型献立」に焦点を合わせた。この技術で国内スタートアップ「トップテーブル」は今年開催されたCESで最高革新賞を受賞した。トップテーブルは、4Dフードプリンティング技術を活用し、パーソナライズした料理を作り出す技術を公開した。

方法は簡単だ。献立に必要な食品原材料を選択し、フード「インク」を加工すれば良い。トップテーブルはAIを活用して利用者の健康状態や検診結果のデータを受けとって必要な栄養情報を分析し、個々のインク機器にこのデータを送信する。

インクではユーザーにカスタマイズされた栄養剤を生成する。ユーザーに必要な成分が栄養剤に含まれたのはもちろん、人体内で栄養剤が溶けるところまで設定できる。

献立に含まれた栄養情報を分析する技術も続々と登場している。AIヘルスケアスタートアップのドゥーイングラボ(Doinglab)は「フードレンズ(Food Lens)」というソリューションを活用して食べ物認識技術をサービスしている。食べ物の写真を撮るとAIがこれを自動的に分析し、栄養情報を提示する仕組みだ。

カカオヘルスケアも糖尿病患者のリアルタイム血糖を管理するアプリケーション「パスタ(PASTA)」をリリースした。パスタアプリに食べ物の写真を載せれば、メニューや量を分析して摂取したカロリーや栄養素の含量、血糖などを分析する。リアルタイム血糖測定器(CGM)と連動して学校に行った糖尿病患児や、遠く離れた親の血糖に問題が生じた時、リアルタイムで確認して措置が可能だ。

悩みの種だった生ゴミも、フードテックで一部解決できるものとみられる。

フードテックスタートアップのヌビラボ(Nuvilabs)は食べ残し分析用スキャナーサービスを公開した。食事の前には推奨カロリーに適した献立であるかどうかと、アレルギーを引き起こす材料があるかどうかを確認し、食事の後には食べ残した食材の種類と量を分析して浪費を防ぐ。社員食堂や学校給食所、軍隊などに設置し、生ゴミを約30%減らす成果を上げた。

こうしたAI・ロボットなど新技術を結合した「フードテック」が、遠くない将来の食卓の姿を変えると見られる。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News