気候変動、このまま続けば2090年夏、ソウルで「1万人死亡」という研究結果
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【02月11日 KOREA WAVE】温室効果ガスの排出量が現在とほぼ同じなら、2099年までに韓国で夏の熱中症による死亡者数が最大82%増加するという見通しが出た。
ソウル大学生態造景地域システム工学部のイ・ドングン教授が率いる研究チームは先月26日、韓国保険学会誌に「気候変化シナリオに伴う未来の夏の死亡者数予測」というテーマの論文を出した。
研究チームは1997年から2022年までの26年間、夏(6~8月)のソウルと釜山(プサン)地域で外因死(外傷・中毒・窒息など外部で生じた原因による死亡)を除く死亡者を集計した。年平均死亡者は▽ソウル8706人▽釜山4229人だった。
研究チームは、夏に異常高温現象が頻繁に発生することで現れる温熱疾患が死亡率増加の主な原因だと分析した。
この期間、年間死亡者数は継続的に増加した。特に2019年を基点に急激に増えている。研究チームは「人体が高い温度にさらされれば温熱疾患はもちろん、呼吸器や心血管疾患が悪化して死亡に至る可能性がある」と説明した。
研究チームは「気候変動に関する政府間協議体」(IPCC)のシナリオを基に夏の年間温熱指数(WBGT)を計算した結果、ソウルと釜山の夏の死亡者数はますます増加し、2090~2099年の間に最多の死亡者が発生すると予測した。
ソウルの場合、カーボンニュートラルを達成しても1万707人が死亡する。温室効果ガスの排出量が現在の水準とほぼ同じなら、1万5860人が死亡する。
これからカーボンニュートラルを達成しても、この26年間の夏の平均死亡者数(8706人)より23%増えるということだ。今のように炭素排出を続ければ、増加率は82%まで上がる。
釜山も夏の死亡者数が継続的に増加したが、ソウルよりは増加率が低かった。これはソウルと釜山の人口数の差と気候特性のためと分析された。釜山の2090~2099年夏の死亡者は4617~5028人と計算された。
イ・ドングン教授は「今からいくらカーボンニュートラルを達成したとしても気温と湿度は上がり、死亡者は増加するだろう。気候変動パンデミックは2030年のような近い未来には大きな問題を起こさないように見えるが、2040年、2050年が近づくと非常に危険なこともありうる。2080年ごろには想像を絶するほどになるだろう」と警告した。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News