【2月7日 AFP】イタリア・ローマで6日、古代ローマ帝国の皇帝コンスタンティヌス1世(Constantine I)の巨像が公開された。コンスタンティヌス1世は、初めてキリスト教を公認し、改宗したローマ皇帝として知られる。

 カピトリーノの丘(Capitoline Hill)に設置された、巨大な座像は高さ13メートル。今回、像を復元するために元々の彫刻の部位から型が作製された。

 ローマ市の文化遺産担当者は「この皇帝の像を前にして受ける印象は、当時の市民が皇帝を前にした時の感覚に近いのではないかと思う」と語った。

 大理石でできた彫刻の部位は、カピトリーニ美術館(Capitoline Museum)で、数百年にわたって保管されてきた。像のモデルがコンスタンティヌス1世であると判明したのは19世紀になってからだった。

 像の復元にあたり、部位10点がレジン樹脂を用いて制作された。美術館裏の庭に設置された座像は上半身裸で、片手には地球を持っている。

 現存するオリジナルの部位は、両手両足、ひざ、すね、血管が浮き出た上腕二頭筋の部位二つ、胸部の一部、頭部。顔はローマ鼻であごは割れている。

 考古学者の詳細な調査により、像の一部には、以前からあった像が再利用されていたことが分かっている。現存するあごの部位にはひげはないが、元々の像にはひげがあった形跡が見られる。

 今回復元された像は、2025年の聖年までは現在の場所に設置されるが、その後は別の場所での常設が予定されている。(c)AFP/Alexandria SAGE