【2月6日 AFP】2001年9月11日の米同時多発攻撃を象徴する写真の1枚に、当時のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領と共に写った元消防士のロバート・ベックウィズ(Robert Beckwith)氏が死去した。91歳。ニューヨーク市消防局(FDNY)が5日発表した。

 米同時多発攻撃当時、69歳だったベックウィズ氏はすでに消防士を引退していたが、ハイジャックされた旅客機が突っ込み倒壊した世界貿易センタービル(WTC)へ駆け付け、生存者の救出活動に加わった。

 事件から3日後の9月14日、現地を訪れたブッシュ大統領は消防隊のヘルメットをかぶったベックウィズ氏の肩に手を回し、メガホンで演説した。この姿を捉えた写真は、911を象徴する1枚となった。

 ブッシュ氏は5日、X(旧ツイッター)への投稿で、WTC跡地の「グラウンド・ゼロ(Ground Zero)で私の隣にボブがいたことを誇りに思う」「彼の勇気は911後のニューヨーカーと米国人のくじけない、強靭な精神を象徴していた」と述べた。

 米同時多発攻撃ではWTC、米国防総省、ペンシルベニア州の3か所で計2977人が死亡、約6300人が負傷した。

 一方、911犠牲者補償基金によると、攻撃そのものの犠牲者よりもさらに多くの人が事件後の関連疾患で亡くなっている。特にグラウンド・ゼロで煙と粉塵(ふんじん)にまみれながら活動した救助当局者のがんが目立つという。(c)AFP