ビンラディン容疑者の「アメリカへの手紙」、SNSで拡散 英紙が削除
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【11月17日 AFP】2001年9月11日に起きた米同時多発攻撃の首謀者で国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者だった故ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者による21年前のメッセージ「アメリカへの手紙」がソーシャルメディアで数百万回シェアされたのを受け、英紙ガーディアン(Guardian)は自社サイトに掲載していたこのメッセージを削除した。
ビンラディン容疑者は、米同時多発攻撃の1年後にこのメッセージを発表。米国はイスラエルを支持しているために攻撃されたと主張している。
このメッセージはあるインフルエンサーが14日にティックトック(TikTok)に投稿し、1200万件の「いいね!」を獲得。その後さまざまなメディアで拡散され、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)と交戦中のイスラエルに対する米国の支持について、激しい議論を巻き起こしている。
ビンラディン容疑者は、イスラム諸国における西側諸国の活動に異議を唱え、米国のイスラエルに対する支持とパレスチナ自治区に対する姿勢を非難。「彼ら(米国)は何十万人もの兵士をわれわれに投入し、イスラエルと同盟を結んでわれわれを抑圧し、われわれの土地を占領している」と述べている。
ガーディアンは自社サイトで、このメッセージが「完全な文脈なしに」共有されたとして、メッセージをオリジナルのメッセージが読めるリンクと差し替えた。
メッセージを最初にティックトックに投稿したインフルエンサーは、「みんな、今すぐ手を止めて『アメリカへの手紙』(2ページ分)を読んでほしい」というコメントを添えていた。
このインフルエンサーは「読んだらここで感想を聞かせてほしい。私は今、まさに多くの人と同じように、実存的危機のような体験をしていると思っていて、他の人にもそれを感じてほしい」と述べている。
ティックトックでは「ウサマ アメリカへの手紙 要約」「アメリカへの手紙 全文」「アメリカへの手紙 解説」といったキーワードのトレンド検索が行われ、手紙は広く好意的に受け止められている。
しかし、ティックトック社は、関係する動画の数は少なく、手紙が「トレンド入りしているとの報道は不正確」だと主張している。
米ホワイトハウス(White House)はX(旧ツイッター)に声明を発表し、「ウサマ・ビンラディンの卑劣な言葉に賛同し、いまだ愛する人々の死を悼んでいる2977人の米国人家族を侮辱してはならない」と非難。
さらに「特に今は世界で反ユダヤ主義的な暴力が増加しており、ハマスのテロリストが(ビンラディンと)同じ陰謀論の名の下に、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)以来最悪のユダヤ人虐殺を行った直後だ」と警告した。(c)AFP