研究室冷凍庫の故障で30年間の検体だめに スウェーデン
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【2月6日 AFP】スウェーデンの首都ストックホルムにある医科大学、カロリンスカ研究所(Karolinska Institute)で30年以上前から収集されてきた研究用の検体が、昨年のクリスマス休暇中に起きた冷凍庫の故障により台無しになっていたことが分かった。同研究所が5日、明らかにした。
カロリンスカ研究所は、ノーベル医学生理学賞(Nobel Prize in Physiology or Medicine)の選考委員会の拠点が置かれている研究教育機関。
検体は、液体窒素でマイナス190度に冷却された極低温タンクに保管されていたが、昨年12月22日から23日にかけて、タンク16個への液体窒素の供給に問題が発生。その結果、保管されていた複数の研究機関の検体がだめになった。
カロリンスカ研究所フッディンゲ(Huddinge)キャンパスの学部長によれば、最も影響を受けるのは白血病の研究者で、30年以上にわたって患者から集めてきた検体があったという。
同学部長は、被害額について正式な見積もりは出していないが、数百万クローナにはなるだろうと指摘。一部メディアは約5億クローナ(約70億円)だと報じている。
同研究所では内部調査を開始した。妨害行為が行われた形跡はないが、念のために警察にも通報したとしている。(c)AFP