ソウルのある中学校(c)news1
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【02月06日 KOREA WAVE】韓国の一部学校が学内での生徒の携帯電話使用・所持を禁じている問題で、国家人権委員会は最近、各校に対し、「生徒の一般的行動の自由権と通信の自由を侵害している」として、学則改正を相次いで勧告した。だが学校側は、現場の教師や教育分野の専門家らは生徒の「学習権」と教権(教員の教育する権利)を保障するためのやむを得ない選択だと抗弁しており、両者の衝突は当面続きそうだ。

人権委は昨年7月の段階で、A学校に携帯電話使用・所持制限は人権侵害だとして、学校に学則改正を勧告した。だがA学校は「勉学の雰囲気づくり」「各種サイバー犯罪予防」などを理由に受け入れなかった。

人権委は昨年勧告したのは計56校に上り、うち24カ所が拒否したという。人権委の勧告に法的拘束力がなく、学校側は「現実的な困難」を理由に受け入れられないとしている。

特に現場の教師は、生徒の携帯電話使用で授業進行が難しくなっていると口をそろえる。ある小学教師は「授業中にゲームをしたり、写真を撮るなどさまざまな行動で授業を妨害する」と打ち明けた。

京畿道(キョンギド)のある中学校教師は「教師の発言を録音し悪意的に編集して教師をいじめる生徒たちがいる」と指摘する。別の教師は「携帯電話回収のような校則は、必ず生徒会や保護者やアンケート調査や意見集約を経て自主的に決めるもの」という見方もある。

昨年、ソウルの小学教師が死亡した事件後、教権保護に対する声が大きくなったことも、人権委の勧告を拒否する背景に挙げられる。

専門家は、学生・学校・保護者間の多様な意見を交換できる環境を整備する必要があるとみる。光州教育大学のパク・ナムギ教育学科教授は「携帯電話が学習効率を低下させるという研究結果が報告されるなど副作用が多い。結局、生徒らが反発するのは、意見集約のない『一方的回収』だからだ」と指摘する。

そのうえで「校則を整備するプロセスに生徒が参加すべきだ。それによって作られた『約束』を生徒らが守るという努力も重要だ」と強調した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News