【1月25日 AFP】ウクライナ人捕虜を乗せたロシア軍輸送機の墜落をめぐり、ロシア側がウクライナ軍に撃墜されたと非難したのを受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は24日、ロシアは「ウクライナ人捕虜の命をもてあそんでいる」と反発した。

 ロシア国防省は24日、ウクライナと国境を接する西部ベルゴロド(Belgorod)州で、自軍の輸送機が撃墜され、74人が死亡したと発表。うち65人は、予定されていた捕虜交換のために移送中だったウクライナ人捕虜だったと主張した。

 ゼレンスキー氏は墜落に関する同夜の演説で、「ロシアがウクライナ人捕虜の命や親族の感情、そしてわが国の国民感情をもてあそんでいるのは明らかだ」と述べた。

 ロシアの主張については肯定も否定もせず、「非常に困難な一日だった」とだけ述べた。

 また、ソーシャルメディアで公開した動画で「すべての事実をはっきりさせる必要がある。墜落がわれわれのコンロトールが及ばないロシア領内で起きた点を踏まえ、可能な範囲で」と述べ、墜落原因について国際的な調査を求めた。

 一方、ロシア側は墜落直後、墜落はウクライナによる「テロ行為」だと非難した。

 ウクライナ軍の各機関は慎重に言葉を選んだ一連の声明で、捕虜交換が予定されていたことを認め、ロシアは拘束しているウクライナ人捕虜を保護する責任があると述べた。また、ベルゴロド州において引き続き、ロシアの軍事施設や軍用機を標的とすると明言した。

 ただし、ウクライナ政府は同国人捕虜が墜落で死亡したかどうかや、輸送機を撃墜したのはウクライナ軍かどうかには言及していない。(c)AFP