【1月24日 AFP】米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(Bulletin of the Atomic Scientists)」は23日、人類が滅亡するまでの残り時間を象徴的に示す「終末時計(Doomsday Clock)」の針を、昨年と同じ、過去最短の「残り90秒」に据え置いたと発表した。

 同誌のレイチェル・ブロンソン(Rachel Bronson)プレジデント兼最高経営責任者(CEO)は、「ウクライナにおける戦争が核(戦争)へのエスカレーションのリスクを顕在化させているほか、(昨年)10月7日の(イスラム組織ハマス〈Hamas〉による)イスラエル攻撃とそれに伴うガザ地区(Gaza Strip)での戦争についても、核が使用されなくても現代の戦争が戦慄(せんりつ)をもたらすものであることが一段と鮮明になった」と指摘。「傾向としては引き続き世界終末に向けた道筋を指し示している」と語った。

 このほか、核保有国による核兵器の近代化、気候変動に伴う洪水・火災などの自然災害もリスク要因として挙げた。ブロンソン氏はまた、人工知能(AI)の進歩に関し、人間がいかに技術を管理するかという問題を提起していると述べた。

 終末時計は昨年、特にロシアによるウクライナ侵攻を受けて10秒進められ、75年の歴史の中で最短となる90秒に設定されていた。

 映像は23日撮影・提供。(c)AFP