寿命迎えた太陽光パネル、リサイクルで「都市鉱山」に
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【4月5日 AFP】地球温暖化を招く化石燃料から再生可能エネルギーへの転換に世界がかじを切る中、古くなった太陽光発電用パネルをどうすべきかという、新たな環境問題が持ち上がっている。
米各地では毎日、数千枚の太陽光パネルが新たに設置されている。特に晴れの日が多い西・南部で多く、カリフォルニア州などの州はより環境に優しい発電に力を入れている。
だがパネルの寿命は約30年で、最初期に設置されたものは役目を終えつつある。これらのパネルがただのごみとして埋められる前に、リサイクル網の拡充が急務となっている。
アリゾナ州を拠点とする太陽光パネル専門のリサイクル会社「ウィー・リサイクル・ソーラー(We Recycle Solar)」の代表、アダム・サーイー(Adam Saghei)氏は「今後、大量の太陽光パネルがサプライチェーンに戻り始める」と話した。
「どの産業でも問題になることだが、循環型経済があまり考慮されていないなかった」「太陽光は持続可能なエネルギーだが、(設備を)使用後にどうするのか考える必要がある」と説明した。
老朽化したり、設置時やひょうなど自然災害により破損したりした、修理ができないパネルはリサイクルされ、銀や銅、アルミ、ガラス、シリコンが回収される。
サーイー氏によると、同社のエンジニアらが3年かけて太陽光パネルのリサイクル方法を編み出した。「都市採鉱と呼んでいる」と話した。
シリコンやガラスは「ゴルフ場のバンカーの砂や、精製してサンドブラストに使うこともできる。屋外用暖炉に敷く石やガラスとして使われることもある」という。
同社のアリゾナ州ユマ(Yuma)の工場の処理能力は1日7500枚。最終的に廃棄される部分は驚くほど少ない。
サーイー氏は「パネルの製造とモデルによるが、最大99%をリサイクルできる」と話した。