【1月3日 AFP】サッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)を制したスペイン代表のヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)は2日、裁判所で証言台に立ち、同国サッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)前会長から強要されたキスは、「いかなる点でも合意の上ではなかった」とし、その行為を擁護するよう圧力を受けていたと明かした。

 エルモソは、性的暴行と強要の罪に問われているルビアレス氏の捜査が行われているマドリードの全国管区裁判所(National Court)に出向き、証言を行った。司法関係者はAFPに対し、エルモソが「キスは全く予期せぬもので、いかなる点でも合意の上ではなかったという検察での供述を認めた」という。

 法廷を後にする際エルモソは、「今はすべてが司法の手に委ねられていて、私にはそれしか言えない」と記者団に述べた。

 昨年8月20日のW杯表彰式でエルモソは、ルビアレス氏に両手で頭を抱えられ、唇に無理やりキスをされた。同氏は、この行為が合意の上だったと述べていたが、エルモソはこれを否定している。

 その後9月に刑事告訴したエルモソは証言の中で、W杯からの帰国時の機内やチームで休暇を取ったイビサ(Ibiza)島で、ルビアレス氏を擁護するよう圧力をかけられたと裁判官に対して述べている。

 スペインでは、同意なしのキスはあらゆる性的な暴力を含む性的暴行のカテゴリーに入る。ルビアレス氏は有罪となった場合、罰金から最大で禁錮4年を科される可能性がある。(c)AFP