【12月27日 AFP】ロシアが「完全制圧」したと主張しているウクライナ東部ドネツク(Donetsk)州の要衝マリンカ(Maryinka)について、ウクライナ軍のワレリー・ザルジニー(Valeriy Zaluzhny)総司令官は26日、自軍部隊を同町の外縁部まで後退させたと明らかにした。

 ザルジニー氏は首都キーウでの会見で、「わが軍は現在、マリンカの外縁部に移動している。町の外に移った部隊もある」と説明した。

 マリンカは、親ロシア派が実効支配する州都ドネツクに近い。

 ザルジニー氏は、「われわれはウクライナ全土を防衛するが、兵士の命の方が大切だ」と主張。いずれにせよマリンカの市街はロシア軍によって破壊され、「もはや存在しない」とし、部隊の移動は「国民の反発を招くようなことはない」と述べた。

 ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は25日、テレビ中継されたウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との会合で、ロシア軍はマリンカを「完全に」制圧したと報告していた。

 テレビでは、マリンカの現状だとの説明で、がれきの山や、全壊したアパートなどを広範囲にわたってドローンで撮影した映像も放送された。(c)AFP