【1月1日 東方新報】中国南部の広州市(Guangzhou)で最近、大学3年生の華(Hua)さんが授業中に脳梗塞で突然倒れた。中山大学付属第3病院に救急搬送され、外科手術で脳の血栓をとりのぞき、一命は取り留めた。

「わが病院で脳梗塞の外科手術をした最年少の患者です」と話すのは、同病院血管外科部の汪求精(Wang Qiujing)主任医師。「近年、脳卒中の低年齢化が目立つ。勉強のストレス、夜更かし、不健康な食生活の影響でしょう」と話す。

 中国では最近、大学生の体力低下が社会問題になっている。教育部のサンプル調査では、学生の30パーセントの健康状態が「不合格」だった。

 最近の若者は小学生の頃から勉強漬けの日々を送っている。就職を控える大学生はなおさらで、ある学生は「3年生になると基本的に教室、図書室、食堂、学生寮にこもっている。週末は疲れて部屋で横になっているだけです」と話す。インターネット上では「大笑いしたらアゴがはずれた」「くしゃみをしただけで骨折する」など、冗談を交えた若者の自虐的な「もろさ自慢」がはやっている。

 大学側は体育の学業評価を重視するなどの改革を進めているが、学生側からはむしろ「勉強漬けの上、体まで動かせというのは勘弁して」という声が目立つ。

 就職後も「長時間座り、残業、家に帰って夜更かし。食事は塩分や脂分が多いテークアウト」というライフスタイルの若者が多い。

「2023年職場青年健康リポート」によると、「年に5日未満しか運動しない」という若者が10パーセントを超えており、アンケートに回答した半分以上が不眠症、脱毛、首の痛み、目の疲れの問題に悩んでいる。

 中日友好病院緊急診療科の姚堯(Yao Yao)氏は、「わが国では毎年54万人が突然死している。そのうち40パーセントが若者。およそ2分30秒ごとに1人の若者が突然死している」と警鐘を鳴らす。

 国立心臓血管病センターの胡盛寿(Hu Shengshou)主任は「心筋梗塞や脳卒中の発症年齢が低年齢化している。わが国の経済発展と都市化の過程でライフスタイルが変化した。穀物を食べる量が減って脂肪の摂取量が増え、長時間座ることが増えて運動量が減っている。さらに若者は心理的ストレスや睡眠不足に直面している」。対策としては、「健康的な食事と運動習慣の形成、規則的かつ十分な睡眠確保、良好な人間関係の確立」と指摘する。いわば「当たり前」の話だが、その当たり前ができないことが、スピード社会、競争社会の現状を反映しているようだ。(c)東方新報/AFPBB News