ソウル龍山警察署ロビーで集会・デモ申請のために徹夜待機中の女性(c)MONEYTODAY
ソウル龍山警察署ロビーで集会・デモ申請のために徹夜待機中の女性(c)MONEYTODAY

【12月23日 KOREA WAVE】「365日、24時間この場にいつもいます。席を取られてはいけませんからね」

20日午前7時ごろ、ソウル鍾路(チョンノ)警察署のロビーで会った中年女性A氏は疲れ顔だった。集会・デモ申請のために警察署ロビーで徹夜待機を終えたばかりだった。

A氏の後に待機するB氏も、警察署のロビーに自分で持ってきた椅子を置いて座った。「集会申請のために夜明け前に出てきた。午後3時まで待機し、その後はまた別の人が来る。持ってきた委任状で時間になれば申請する。地域に関係なくデモ申請が全国各地から来ることもある」。B氏はこう語った。

集会やデモに関する法律によると、韓国では集会やデモ主催者は集会やデモを始める720時間前から48時間前までに管轄警察署に集会とデモの内容を記した申請書を提出しなければならない。例えば、今月20日午前9時の集会申請は30日前の先月21日午前9時から可能だ。

原則的に、集会・デモ申請時、申請人の委任状がなければ代理人は並ぶことはできない。この日、夜通し待機中だった彼女らも、さまざまな団体の委任状を持ってきて、代理人として並んでいるところだった。

この日午前6時ごろ、ソウル龍山(ヨンサン)警察署ロビーの請願者受付待機スペースの片側にも仕切りが設置された。仕切りの向こうには中年の女性C氏が電気カーペットと毛布などを床に敷いて横になっていた。

人が行き来する音が聞こえると、目が覚めたC氏は「まだ時間がある。待たなければ」と口にした。C氏の周辺には個人のコップ、ティッシュなどが置かれていた。彼女は慣れた様子で横になっていた電気カーペットを整理し、プラグに携帯電話の充電器を差し込んだ。

彼女らが警察署ロビーで徹夜する理由は集会・デモの場所を先取りするためだ。集会・デモは法律上すべての国民が可能だが、同じ時間に一つの場所で一団体しか集会を開くことができない。各団体が希望する場所で集会を開くために管轄警察署に先に申請し、優先順位で場所を割り当てられなければならない。

警察関係者は「場所取り競争が起きている。割り当てるのは、先に受け付けた集会だ。後から受け付けた申請は先に受け付けた場所の近隣で集会が開催されるよう誘導している。摩擦を防ぐために」と明かした。

別の警察関係者は「集会申請は原則的に24時間受け付けが可能なので制限することは難しい。警察署ロビーの一部空間を提供せざるを得ないのが現実」と説明した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News