【12月20日 AFP】国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)のジェームズ・エルダー(James Elder)報道官は19日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を約2週間にわたって視察した後、ガザは子どもたちにとって「世界で最も危険な場所」となっていると述べ、現状に強い憤りを表明した。

 エルダー氏は、スイス・ジュネーブで行った記者会見で、「子どもたち100万人が人道上の悪夢に直面する中、権力者らが手をこまねいていることに私は激怒している」と述べた。

 イスラム組織ハマス(Hamas)による10月7日の奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザへの報復攻撃を続けている。

 エルダー氏は、ガザで負傷し四肢の切断手術を受けた上、「病院で殺害された」子どもたちに言及。「私は激怒している。今こうして話している間にも、身を隠そうとしている子どもたちが攻撃を受け、今後数日のうちに切断手術を受けることになる」と嘆いた。

 エルダー氏はまた、「私は激怒している。クリスマスにはさらなる蛮行や攻撃が仕掛けられる可能性がある。その間、世界は自分の身の回りの愛や善意のみに気を取られる」と指摘した上で、「単なる数字として扱われつつある」ガザの何千人もの子どもたちの死を悼んだ。

 さらに「私は激怒している。偽善が共感をしのいでいるからだ」と述べたエルダー氏は、「私は自分自身にも激怒している。もっと多くのことをすべきなのにできていない」と無念さをにじませた。(c)AFP