【12月14日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の保健当局は13日、同地区北部にあるカマル・アドワン(Kamal Adwan)病院に前日突入したイスラエル軍が病室や中庭に向かって発砲しており、小児科に入院している子ども12人の安全が脅かされていると発表した。

 ガザ保健当局のアシュラフ・クドラ(Ashraf al-Qudra)報道官は「占領軍(イスラエル軍)は包囲網を狭め、カマル・アドワン病院の病室や中庭に発砲している」「すでにミルクも生命維持装置もない小児科に入院している子ども12人が亡くなる恐れがある」と語った。

 イスラエル軍はこれまでにコメントを発表していない。AFPは病院の状況を独自に確認することができなかった。

 クドラ氏は12日、イスラエル軍が同院に突入し、中庭に男性たちを集めていると述べていた。

 国連人道問題調整室(OCHA)は11日、カマル・アドワン病院の産科病棟が攻撃を受け、入院していた女性2人が死亡したと発表していた。

 クドラ氏は、病院長やスタッフがイスラエル軍に拘束されて「拷問を受け、食料や飲料を奪われた」と述べた。拘束されたスタッフの一部は後に釈放されたという。

 また、イスラエル軍は同じくガザ北部のアウダ(Al-Awda)病院も標的とし、「水、食料、電気を奪い」包囲網を狭めていると述べた。イスラエル軍は傷病者の来院も妨害しているという。

 イスラエル軍はガザ最大のシファ(Al-Shifa)病院などの医療施設も襲撃している。同軍は、ハマスが病院を司令部として使用していると非難しているが、ハマスはこれを否定している。(c)AFP