【12月20日 AFP】イタリア北中部レッジョエミリア(Reggio Emilia)の裁判所は19日、見合い結婚を拒んだ娘を2021年に殺害した罪で、パキスタン人夫婦に終身刑を言い渡した。

 殺害されたのは、北部ボローニャ(Bologna)近郊ノベッラーラ(Novellara)に住んでいたサマン・アッバス(Saman Abbas)さん(18)。家族が計画していたパキスタンに住むいとことの見合い結婚を拒否した翌年の2021年5月、行方不明となった。

 アッバスさんの両親とおじ、いとこ2人の計5人に対する裁判が行われ、アッバスさんの両親の命令で、おじが窒息させたと判断された。

 司法協力者制度を利用したおじには禁錮14年、いとこ2人には無罪が言い渡された。

 アッバスさん2020年11月、社会福祉機関に相談し保護施設に入った。

 しかし、21年4月に家族が反対していた恋人と新生活を始めるため、家にパスポート(旅券)を取りに戻った直後に行方不明となった。恋人から通報を受けた警察が5月に家を捜索したが、両親はパキスタンに渡った後だった。

 アッバスさんは、21年の4月30日~5月1日の夜に殺害された可能性が高い。付近の防犯カメラの映像には、シャベルとバール、バケツを持って家を出て、2時間半後に戻ってきた両親ら5人の姿が映っていた。

 約1年後、使われなくなった農場内の家屋で首の骨が折れた状態のアッバスさんの遺体が見つかった。

 父親のシャバー・アッバス(Shabbar Abbas)被告はパキスタンで拘束され、23年8月にイタリアに送還された。

 母親のナジア・シャヒーン(Nazia Shaheen)被告は、現在も逃亡している。(c)AFP