【12月16日 CGTN Japanese】「全体として無口。しゃべり好きではない。気楽に付き合える。異性ならば境界線を越えない。食事前に料理の写真を撮影してもよい……最高で1人あたり200元(約4000円)ぐらいの食事代を負担できる」――。この効率的で克明な自己紹介は、中国版インスタグラムとも呼ばれる小紅書(RED)に投稿された「飯搭子(メシ仲間)」の募集です。この投稿に賛同する書き込みは800本を超えました。この投稿は今の中国のさまざまなSNSプラットフォームで最も流行している新たな人間関係の「搭子社交」を求めるものです。

「搭子」とは、仕事上の同僚よりも関係が深いのですが友人までには至らず、生活の中のさまざまな求めや趣味についての細分化された分野の「正確な付き合い」を求める関係です。美食、観劇、学習、さらにはミルクティーを飲む、ジムに通う、昼寝するようなあらゆる分野での「搭子」が出現しました。これが中国SNSで発生したトレンドです。

「搭子」とは簡単に言えば、ある特定の分野で付き合う人であり、人付き合いのニーズは満たされる一方で、感情面の「出費」は少ない存在です。人付き合いを通してエネルギーを吸収し、孤独から逃れ、その時々の満足感を獲得する一方で、相手の生活には干渉せず、便利でさっぱりとした「搭子」の存在は、現代生活に楽しみをもたらす新たな人間関係の「特効薬」と考えられています。

 今年6月には「若者の半数以上に『搭子』という知り合いがいる」との話題が中国のSNSの微博(ウェイボー)の検索ワード人気ランキングに登場し、閲覧数は2億に上りました。同時期に人気ランキングに登場した話題には「『搭子』は新型人間関係」「なぜ若者に『搭子』が必要なのか」などがありました。小紅書(RED)では「搭子」に関する書き込みが651万本を超えました。中国の大手動画投稿アプリの「抖音(ドウイン)」では、「食事搭子」に関連する動画が74億5000万回再生されました。

 データ研究型メディアのDT財経とDT研究院が共同発表した「2023搭子社交調査報告書」によると、アンケート調査を受けた人の半数以上には少なくとも1人の搭子がいて、人々が搭子を選ぶ際に最も気にする3つの特徴のうち、「趣味が合う」の割合が83.3%を占め、「よく知る人か知らない人か」「友情が深いかどうか」は重要視されていませんでした。「搭子」としての人付き合いの最大の強みについて、第1位と第2位はそれぞれ「同じ目的やニーズがあり、助け合うことができる」と「境界の感覚を強く持ち、プライベートを侵害しない」とのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News