【12月9日 AFP】イスラエル軍は9日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でイスラム組織ハマス(Hamas)への攻勢を強めた。国連安全保障理事会(UN Security Council)で前日、ガザ地区での即時停戦を求める決議案が米国の拒否権行使で否決されたことについては、ハマスとパレスチナ自治政府のみならず、人道支援団体も非難を表明している。

 ハマスが実効支配するガザの保健当局によれば、10月7日以降の一連の衝突で、ガザ側では1万7487人が死亡した。大半は女性と子どもだった。

 同当局は9日、南部の都市がイスラエル軍の攻撃を受け、ハンユニス(Khan Yunis)で6人、ラファ(Rafah)で5人が死亡したと明らかにした。

 ガザは広範囲にわたって、がれきと化している。国連(UN)によれば、人口の約80%が家を追われ、食糧、燃料、水、医薬品の不足が深刻化していると報告されている。

 安保理はガザでの即時停戦を求める決議案を採決したが、米国は拒否権を行使。同国のロバート・ウッド(Robert Wood)国連次席大使は同決議案について、「現実と乖離(かいり)」しており、「現状を好転させることはない」と主張した。

 イスラエルのエリ・コーエン(Eli Cohen)外相は、停戦すれば「戦争犯罪と人道に対する罪を行っているテロ組織ハマスを崩壊から免れさせ、ガザ地区の統治継続を許すことになる」と述べた。

 一方、ハマスは米国の拒否権行使を「ガザ住民の殺害とさらなる虐殺、民族浄化を伴う侵略への直接参加だ」と非難。

 パレスチナ自治政府のムハンマド・シュタイエ(Mohammed Shtayyeh)首相も、米国の拒否権行使は「恥ずべきことであり、侵略国(イスラエル)に虐殺と破壊、強制退去の白紙委任状を与えたに等しい」と糾弾した。

 緊急医療援助団体の「国境なき医師団(MSF)」も、安保理が「現在行われている虐殺に加担した」と批判した。(c)AFP