【12月9日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は8日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での即時停戦を求める決議案を採決したが、常任理事国の米国が拒否権を行使し、否決された。

 15理事国のうち、同じく常任理事国の英国は棄権したが、残る13か国は賛成した。

 アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長の呼び掛けで緊急会合が開催され、アラブ首長国連邦(UAE)が決議案を提出した。

 米国のロバート・ウッド(Robert Wood)国連次席大使は決議案について、「現実と乖離(かいり)」しており、「現状を好転させることはない」と指摘。

 さらに、決議案の可決を急ぎ、無条件停戦の呼び掛けを変えなかったとして、グテレス氏とUAEを非難。「この決議案には依然、無条件停戦の呼び掛けが含まれている。これではハマスに再び10月7日の行為を許してしまう」と訴えた。

 UAE代表は「深く失望している」「残念ながら、安保理は人道的停戦を求めることができない」と述べた。

 パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール(Riyad Mansour)国連大使は、「(この戦争を)支持するなら人道に対する罪を支持することになる」と非難した。

 一方、イスラエルのギラド・エルダン(Gilad Erdan)国連大使は米国を称賛。「米国と(ジョー・)バイデン(Joe Biden)大統領は断固としてイスラエル側に立ってくれている」と述べた。(c)AFP