【12月10日 CGTN Japanese】中国南西部の重慶市文物考古研究院が重慶市武隆区で保存状態が良く、年代が明白な前漢(紀元前206年~同8年)初期の墓を発見したことが5日に分かりました。これまでに出土品600点余りを得たとのことです。専門家は、今回発見された前漢初期の墓の出土数の多さや年代の古さは、重慶市では初めてとしています。

 重慶では最近になり、漢から六朝期(222~589年)までの古墓がまとまって発見されました。中でも「関口前漢1号墓」と呼ばれる墳では重要な出土品を得られました。この墓は、これまでの中国の考古学の発見において明確な年代分かる最も古い墓とされています。墓から出土した木牘(ぼくとく、文字を記した細長い木板)の記録により、墓の主が埋葬された年が紀元前193年と分かったとのことです。出土した剣の玉(ぎょく)の装飾物は、墓の主の社会的地位の高さを物語っています。柩が置かれていた墓室からは、現在までに副葬品のほぼ全ての600点余りが取得されました。漆器や木器、竹器、青銅器、陶器、絹織物など以外にも、墓の主が生前に好んで食べていた食物も見つかりました。

 今回出土した「干支木牘」は特に重要な考古学上の発見であり、この種の文化財の発見は初めてとのことです。「干支木牘」は全部で23枚あり、「今日」の二文字が書かれた1枚のほかの木板にはそれぞれ、十干と十二支の一文字ずつが墨で書かれていました。

「関口前漢1号墓」は盗掘されたことがなく、副葬品の保存状態が良好とのことです。「関口前漢1号墓」は中国南西部で最も保存状態の良い木製の墓室を持つ古墓で、長江上流地区で漆器と竹器が1回の発掘で最も多く出土した墓であり、漢文化の確立過程で巴、蜀、楚、秦の文化が融合した時代の特徴を示すものと見られています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News