米ハーバード大学長、非難の矢面に 「反ユダヤ主義容認」発言受け
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【12月7日 AFP】米ハーバード大学(Harvard University)のクローディン・ゲイ(Claudine Gay)学長は5日、下院教育労働委員会の公聴会で、学内で反ユダヤ主義的な言動が拡大する中、言論の自由を優先する考えを示した。反ユダヤ主義を容認していると受け止められ、一部議員が辞任を要求するなど、非難の矢面に立たされている。
公聴会ではエリス・ステファニック(Elise Stefanik)議員(共和党)が、一部学生が新たなインティファーダ(反イスラエル闘争)を呼び掛けていることについて、「イスラエルおよび世界でユダヤ人に対するジェノサイド(大量殺害)」を扇動しているに等しいと指摘。ゲイ学長に、そうした言動は大学の行動規範に反しないかただした。
ゲイ学長はそれに対し「反対意見や、攻撃的な、もしくは憎悪に基づいた意見であっても、われわれは表現の自由に対するコミットメントを奉じている」と説明。ただし「いじめやハラスメント(嫌がらせ)、脅迫など、規範を侵害する発言についてはわれわれは行動を起こす」と述べた。
これを受けてステファニック議員は即時辞任を要求。上院のテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員(共和党)は「恥ずべき」発言だと批判した。
大学への寄付者らも、ゲイ学長に対し、より明示的なイスラエル支持と、親パレスチナの学生グループへの非難を打ち出すよう求めた。
こうした批判を受け、ゲイ学長は6日、SNSで、誤解があったとし、「ユダヤ人社会もしくは特定の宗教・人種グループへの暴力やジェノサイドを呼び掛けることは卑劣な行為であり、ハーバードに居場所はない。本学のユダヤ人学生を脅す者には責任を取ってもらう」と述べた。(c)AFP